犬の体は、中枢神経(脳や脊髄)を収容する頭蓋骨とそれに連続する脊骨、肺や心臓を保護する肋骨、歩いたり走ったりするための四肢の長(管)骨などの300を超える骨によって形成されています。骨の役割は①体を支持・保護する、②カルシウム、リンなどを成長期に蓄積、妊娠中は流出する、③赤血球や白血球を生産するなどがあげられます。骨折や脱臼などの骨の病気は事故や先天性によるものがありますが、栄養的な事が原因での場合は成長期の栄養管理がかなり影響するといわれています。骨の病気は時に回復不能骨な障害を招くこともあります。バランスのとれた食生活をさせて正しく成長させましょう。また骨をつないでいる関節の病気は、関節炎や膝関節に多く見られ部位によっては様々な症状が現れ、犬の生活にかなり支障が生じます。
骨と関節の病気
目次
股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)
ポイント 股関節形成不全は大腿骨の頭が変形して寛骨のくぼみが浅すぎるため、関節が外れやすい 症状は初期にはほとんど見られない 進行する...
続きを読むレッグ・ペルテス病
ポイント 血管障害によって大腿骨頭が変形、壊死し、股関節の虚脱と関節炎を起こす 症状は跛行、食欲の低下や腰の部分を触られるのを嫌がる(痛がる)、...
続きを読む膝の前十字靭帯断裂(ひざのぜんじゅうじじんたいだんれつ)
ポイント 前十字靭帯断裂は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)をつなぐ前十字靭帯が切れてしまう病気 症状は強い痛みで後足を上げたり、地上...
続きを読む関節リウマチ
ポイント 関節リウマチは自己免疫疾患といわれる病気の一種 症状は主に四肢の末端の関節(手首、足首、または肘や膝)に炎症 年齢に関係なく...
続きを読む変形性骨関節症DJD(へんけいせいこつかんせつしょう)、変形性関節症(へんけんせいかんせつしょう)
ポイント 症状は足を引きずる、歩行異常、階段を嫌がる、散歩時などに疲れやすい、運動・散歩を嫌がるなど 骨と骨がぶつかり雑音のような音(捻髪音...
続きを読む関節炎(かんせつえん)
ポイント 関節炎は関節がスムーズに動かなくなり、関節が変形したり、動かすたびに痛みを生じる 症状は動きが鈍るや跛行したりする 起き上...
続きを読む椎間板ヘルニア
ポイント 症状は脊髄の圧迫の程度や場所により様々 首(頸部)の場合、首(頸部)にじんじんした痛みや強い痛みがあり、生活の質が低下したりする ...
続きを読む変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)
ポイント 体を支えている脊椎が損傷するとろいろな神経障害が起こる 症状は触れたり、歩行時に痛がる、四肢の麻痺、腰痛、後肢の趾行や起立歩行障害...
続きを読む栄養性二次性上皮小体機能亢進症(クル病)
発育途中の幼犬で、骨に石灰化が起こらないものを栄養性二次性上皮小体機能亢進症(クル病)といいます。1〜3ヶ月の幼犬にみられ、関節の腫れ、疼痛、四肢の変形、アンバランスに歩く跛行など...
続きを読む膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
ポイント 膝蓋骨が膝のお皿が内側か外側にずれてしまうこと 症状は進行により様々で無症状、軽度の跛行、スキップ、痛みを示す、足を突る 重...
続きを読む汎骨炎(はんこつえん)
ポイント 汎骨炎は、骨の内部で炎症を起こす疾患で中型や大型の若い犬 後肢に比べて前肢で起こる場合が多く、症状の見られる足が次々と移り変わって...
続きを読む多発性筋炎(たはつせいきんえん)
様々な原因により全身の骨格筋に炎症が起きた状態を多発性筋炎といいます。全身の筋肉の痛みとそれによる跛行、筋肉の低下、筋肉の萎縮が見られます。体を触ると痛がるようになります。犬では、...
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