神経系は、脳から脊髄からなる中枢神経と中枢神経につながって全身に延びる末梢神経(知覚神経と運動神経)、及び自律神経(末梢神経に属する)に大きく分けられます。感覚器と共同して体の機能全体を総合調達し、体内部の恒常性を保ち、外部環境への適応をつかさどっています。脳や神経は体の動きをコントロールする重要な器官なのでごく小さな異常が体全体に影響を及ぼすことも少なく、その障害部分や程度によってそれまで正常に機能していた器官が支障をきたし、重度の場合は知覚神経や運動麻痺を引き起こし、死に至る神経疾患もあります。
神経系の働き
- 大脳:精神活動や知能、運動のはか、知覚や聴覚などの感覚をつかさどる
- 小脳:体の各部をバランスよく動かす運動機能の調整
- 脊髄:脳につながっていて、脳から出される指令を体全体に伝える
- 末梢神経:脊髄から枝分かれしていて、脊髄を通して脳から指令を受け取り、実行に移す。あるいは各器官の情報を脊髄を通して脳に送る
脳・神経の病気
目次
心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)
ポイント 心房中隔欠損症は心臓の右心房と左心房の間に隔てている壁に穴が開いている状態 症状は咳、元気消沈、すぐに疲れる、チアノーゼ、失神、...
続きを読む水頭症(すいとうしょう)
脳が圧迫されることによりおこる病気で、脳のどの部分(神経)が圧迫されているかによって、症状は異なります。四肢の麻痺(歩き方がおかしい)、運動障害(刺激に対する反応が悪い)、視力障害...
続きを読む前庭疾患(ぜんていしっかん)
ポイント 前庭疾患は、様々な原因で平衡感覚が麻痺して平衡感覚を失ってしまう病気全般 症状は頭が傾く、眼球が左右に揺れる、同側にグルグル回転す...
続きを読む癲癇(てんかん)
脳内に異常インパルス(神経衝撃)が発生することにより発作を起こす病気です。異常インパルスの発生する場所によって様々な発作症状が見られ、目を見開き、瞳孔が拡大し、急に四肢を硬直させ、...
続きを読む老犬性痴呆(ろうけんせいちほう)
夜鳴き、夜間の徘徊、失禁やトイレ以外の場所での排泄などが主な症状です。大抵は腎不全や心臓病、白内障などの病気を伴っていることが多いので、それらの病気の症状も合わせて観察されます。周...
続きを読む重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)
軽症のものでは、運動後に疲れやすい、歩き方に力強さがないなどの症状が見られるのみですが、重症になるに従って虚脱状態を起こすようになり、立ち上がれなくなることもあります。犬では食道及...
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