リンパ腫(リンパ肉腫)
ポイント

  • 血液の癌といわれている
  • 発生する場所により症状や治療に対する反応などが異なる
  • 症状は80%と最も多い中心型は下あご、腋の下、股の内側、膝の裏などのリンパ節が腫れる
  • 5%の縦隔型は咳、チアノーゼなどの呼吸器系の症状
  • 5~7%の消化器型は下痢、嘔吐、体重減少、食欲不振、低タンパク血症などの消化器症状
  • 皮膚型は1箇所や広範囲のサイズが様々なできものや赤み
  • 原因は不明で、挙げるなら遺伝やがんを誘発する物質の摂取など
  • 最も多発するのが7歳~10歳
  • 治療は主に抗がん剤治療での緩和、症状や場所によって異なる
  • ほとんどの犬が4~6週間後に死亡する

syouzyouリンパ腫とはリンパ球が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍で、発生率が高く、犬の全腫瘍の7~24%を占めています。リンパ腫は体のほぼすべての組織に発生する可能性があり、発生する場所により症状や治療に対する反応などが異なります。
多中心型
リンパ腫全体の約80%に認められる最も多いタイプです。体表にあるリンパ節が腫大し、下あごや腋の下、股の内側、膝の裏など、体表のリンパ節が何ヶ所も腫れる。進行に従って肝臓、脾臓、骨髄などにも広がっていきます。体重減少、食欲不振、元気消失、発熱、嘔吐、下痢などのあまり特徴的でない症状が現れます。末期では痩せてきて、免疫力も低下が原因で色んな感染症にかかりやすくなります。
縦隔型リンパ腫
リンパ腫全体の約5%に認められるタイプです。高カルシウム血症がよく認められ、胸腔内にあるリンパ組織の腫大を特徴とします。腫瘍による圧迫や胸水貯留により呼吸の回数の増加、咳やチアノーゼなどの呼吸器症状が見られ、呼吸困難が生じることがあります。
消化器型
リンパ腫全体の5~7%に認められるタイプで消化管のリンパ組織やリンパ節が腫れ、腸管に病変が広がっていると吸収不良により下痢、嘔吐、体重減少、食欲不振、低タンパク血症などの消化器症状が見られます。
皮膚型
皮膚に発生する非常にまれなタイプで腫瘍として現れます。サイズが様々なできものや赤みや、脱毛など孤立性のこともあれば全身に多発することもあります。
節外型
眼、中枢神経系、骨、精巣、鼻腔などから発生するものですが、非常にまれなタイプです。

ganin通常5歳以上でみられますが最も多発するのが7歳~10歳です。性別などには差は見られませんが、発生リスクの高い犬種はボクサー、ゴールデンレトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、バッセトハウンド、セント・バーナードなどがなりやすいといわれています。原因は不明で、挙げるなら遺伝やがんを誘発する物質の摂取などが考えられています。

 治療ほとんどの犬が4~6週間後に死亡します。その為、治療というより緩和を目的とします。治療は主に抗がん剤治療が主になります。しかし、進行状況やリンパ腫の種類などによって異なりますので獣医師と今後の治療や費用などをよく相談しながら生活の質をよくしていきましょう。