蚊の生態を知って蚊を「寄せ付けない」

フィラリア感染のリサイクル

空飛ぶ注射器!蚊が色々な病気を運ぶ

大きな注目を集めたデング熱は、流行する可能性があると言われており、医療機関や自治体などには多くの予防情報が掲載されています。犬にとっても、蚊の媒介するフィラリア症は大変危険な感染症です。蚊に刺されることで犬の体内に入ったフィラリア(犬糸状虫)は、感染幼虫から6ヶ月を経て成虫となり、犬の心臓や肺動脈に寄生し、血液循環や内蔵機能に重篤な症状を引き起こします。人にフィラリアの幼虫が感染するケースもある為、飼い主も蚊に刺されないように十分注意する必要があります。フィラリアを媒介しる蚊は次に紹介する以外にも十数種類います。

▶︎草むらで待ち伏せするヒトスジシマカ
ヒトスジシマカ
デング熱を媒介する蚊と言われ、ヤブ蚊の代表種。地面から30〜40センチの草むらにおいて、あまり行動せずに待ち伏せしています。昼間に活動する。

▶︎高層マンションにも来るアカイエカ
アカイエカ1.5キロもの範囲を移動し、上昇気流に乗ってマンションの15階に達することもあります。メスは成虫で越冬し、春中頃から吸血を開始します。日没から明け方にかけて活発に活動します。

フィラリア予防薬は、蚊がいなくなってからの投与が大切

フィラリア薬の開始時期
犬のフィラリア症は、薬で完全に予防できる病気で、予防薬にはスポットタイプの他、注射、錠剤、おやつのようなタイプなどがあります。一般的な毎月1回一定期間服用する薬は「1回飲ませると1ヶ月間ずつと効果が続いている」と思っといる方が多いと思われますが、実は薬の効果は、短期間で失われます。フィラリアの予防薬には、犬の筋肉や脂肪組織中の幼虫を駆除するものです。犬の体内に入った後、1ヶ月以内であれば薬でこれらの幼虫を確実に駆除できるため、1ヶ月に1回飲ませれば良いのです。もし投与期間の途中で1ヶ月分を忘れてしまったり、あるいは最終時期の投薬をしないで翌春まで放置したりすると、感染した幼虫が犬の体内で1ヶ月以上成長を続けてしまいので、薬で駆除することが難しくなってしまいます。投与中の犬でも、1回でも忘れてしまえばフィラリアを発症する危険性があるので注意しましょう。投与期間には地域差(暑い季節が長い地域は投与期間も長く、寒い季節が長い地域は投与期間は短い)がありますので、毎春、血液検査の上、投薬の開始と終了の時期について動物病院で相談して実施して下さい。

犬のフィラリア症はどんな病気か

フィラリア症
フィラリアは別名を犬糸状虫という虫で蚊を介して犬の心臓や肺動脈に寄生する病気です。フィラリアは血液中の栄養分を吸って生きていて成虫はそうめんのような姿で長さ17~30センチにもなります。そのフィラリアの寄生により血液循環が悪くなったり、呼吸がしづらそうっだたり、また肝臓や腎臓にも異常をきたし衰弱して死に至ります。

初期症状はわかりづらい

フィラリアに感染して初めは何も症状がありません。しかし、数年が経過してから症状が現れてその時はすでに重症という場合が多いのです。運動をしたわけでもないのに呼吸が荒く、咳をするなどが初期症状です。また、元気がない、食欲がない、散歩を嫌がる、散歩の途中で座り込む・休む、ふらふらする、痙攣なども見られるようになります。そして食欲不振、嘔吐、重度の貧血、寝てばかりいる、腹水(お腹が膨らむ)、血尿を出すなど重篤になり、心臓、肺、肝臓、腎臓などが機能不全に陥り、苦しんだ後死亡します。

寄生してしまったら?

フィラリア症の治療は、犬の年齢や寄生状況などで治療か異なります。発症した犬に体力がある場合は薬によって幼虫と成虫を全滅させる治療があります。しかし、死滅したフィラリアが肺の血管に詰まってしまい悪化する場合があります。手術の場合は喉のところを切開してかんしでフィラリアをつまみ出します。しかし、フィラリアによって血管が傷ついている場合があるので血管が破損する危険があります。うまく手術がいくとその後は通常のフィラリア予防薬によって幼虫を駆虫していきます。虫の駆除や手術に耐えられないと判断された場合は、虫に対しては何もせず、症状に対する対処療法を中心に行い、寄生フィラリア数の自然な減少させます。しかし、フィラリア症が改善されていく可能性は低い。

フィラリア症にならない為に

最善の治療は予防です。フィラリアの予防をせず蚊のいるシーズンを3回越した犬は、ほぼ100%感染しているというデータがあります。発見が早ければフィラリアは完全に治るのではなく発見された段階ではすでに成虫になっています。また、寄生後に治療して駆除できたとしても傷ついた血管や影響を受けた臓器は復元することはなく、治療後も大小のダメージを抱えたて生活していくことを忘れないようにしましょう。毎月でも忘れてしまったり、誤って吐き出した事を見逃したりする事もあります。そのような場合は必ず獣医に相談しましょう。

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