ポイント
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最初は呼吸が早い程度の軽い症状ですが、呼吸が浅く、お腹で息をしたり、運動や横になるのを嫌がるなどの呼吸困難に至こともあります。呼吸不全に陥ると死に至こともあり、舌や唇の色が暗紫色になったら危険な状態ですので、早く診察を受けて下さい。
肺は横隔膜や肋骨に囲まれた胸腔という中で守られていますが、怪我や病気によって胸腔に穴が空いてしまうと、そこから肺と肺壁との間に空気が入り込み畜留し、酸素と二酸化炭素のガス交換を円滑に行えなくなって同じ胸腔内にある肺が十分に広がることが出来なくなります。交通事故や犬同士の喧嘩、胸を強打、鋭利な物が刺さるような怪我や事故による外傷、肺炎や気管支炎などで併発、激しい咳や興奮、吠えなどでりきんで破れる事もあり、原因不明で起こるものもあります。
軽度の場合は投薬と安静だけで完治することも多いので、一般的には安静が第一で興奮を避けて下さい。しかし、投薬での治療は難しく、自力での呼吸が負担になる場合は注射針やメスで胸に小さな穴を空けてパイプを通して胸腔内の空気を抜き、呼吸を楽にします。重症の場合は何度も定期的にする場合があります。呼吸器疾患(肺炎や気管支炎など)が原因になっている場合は、それを治療しながら気胸の内科療法を行います。事故や怪我などの外傷性の気胸の場合は、外科手術を要する場合があり、緊急の場合は酸素吸入を施して全身の症状に対処していきます。