ポイント
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犬のアデノウイルスの感染による、ウイルス性肝炎です。子犬や若い犬に見られる劇症型では、24時間~72時間で死亡する例もあり、出血性ショックに似た症状で治療に反応しない事もあります。軽症型では、肝炎症状もなく、急に目が白く濁るブルー・アイが現れますが、この角膜炎は自然に治ることが多いです。血液検査と症状によって診察され、また血清抗体価の測定も診察価値があります。重症型では、1週間ぐらいの潜伏期後、40℃前後の発熱が数日続き、食欲不振になります。鼻汁、結膜の充血がみられ、重症の場合には嘔吐、下痢、腹痛を起こし、口腔内が充血して点状出血がみられることもある。症状が回復するにつれて目の片目に角膜炎を起こし、白く濁ってくることがあり、ブルー・アイと呼ばれています。
犬アデノウイルスのI型による経口感染によって発症し、そのウイルスが病犬の尿、便、唾液などとともに排出され、直接、あるいは汚染された食器や衣類を仲介して間接的にも感染します。
犬伝染性肝炎の有効な治療薬はありませんので、肝臓の障害に対する治療、対症療法、輸液療法も実施します。細菌での肺炎、腎盂腎炎などの二次感染を防ぐため抗生物質の投与もします。食事は良質のたんぱく質で脂肪分の少ないものを主にします。しかし、吐き気がある場合には無理に食べさせないでおきましょう。
犬伝染性肝炎の予防の為、年に1回ワクチン接種をしましょう。