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ポイント
- 症状は脊髄の圧迫の程度や場所により様々
- 首(頸部)の場合、首(頸部)にじんじんした痛みや強い痛みがあり、生活の質が低下したりする
- 胸や腰部の間では、ごく軽度の麻痺から足が全く動かないものまであり完全に起立不能になるケースもある
- 初期段階は背中に痛み、触ると嫌がる
- 進行すると歩行を嫌がる、腰がふらつく、両後肢を引きずる、排便障害や排尿障害、後半身の麻痺など
- 足の先をつねっても痛みがなく反応がない場合は予後不良
- 原因はクッションの役割をする椎間板への負担が大きくなり損傷
- 脊髄や脊髄からでる神経を圧迫して麻痺や痛みの原因となる
- 肥満、過激な運動や室内でのは高い所の昇り降り、老化など
- 胴長短足に多発し、2~7歳頃から発症しやすい
- 室内犬などでは生活習慣病などともいわれている
- 治療は重度の場合、脊髄を圧迫している椎間板物質を除去して圧迫を解除
- 手術が成功しても回復まで時間がかかる
- 圧迫が軽いものなどや発症してから数時間以内のものはステロイドや消炎剤・鎮痛剤を投与
- ビタミンB複合体の投与や温熱療法、マッサージも効果がある
- 対策は過激な運動はなるべく控える、室内で滑らないようにする
- 高い所などの昇り降りなどは止める、肥満に気をつける
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脊髄の圧迫の程度や場所により様々な症状があります。首(頸部)の場合、首(頸部)にじんじんした痛みや強い痛みがあり、生活の質が低下したりします。胸や腰部の間では、ごく軽度の麻痺から足が全く動かないものまであり完全に起立不能になるケースもあります。初期症状段階では背中に痛みがあり、触ると嫌がります。進行するとさらに痛みがあり、歩行を嫌がり、後肢の力がなく腰がふらつくやヨタヨタ歩く、両後肢を引きずるなどの運動障害。排便障害や排尿障害、後半身の麻痺なども起こします。足の先をつねっても痛みがなく反応がない場合は予後不良です。
運動をコントロールする脊髄の中の神経異常によって起こります。犬の脊椎(背骨)は7本の頸椎と13本の胸椎、7本の腰椎及び尾椎から成り立っています。1つ1つの椎骨の間には椎間板というクッションの役目を果たす柔らかい組織があります。また脊椎の中には脊髄という太い神経が通っており、そこから体全体へと末梢神経が枝分かれしています。そのクッションの役割をする椎間板への負担が大きくなり損傷することによって椎間板内部の物質が飛び出し、脊髄や脊髄からでる神経を圧迫して麻痺や痛みの原因となります。肥満、過激な運動や室内でのは高い所に登ったり降りたりと脊椎に強い力が加わる、老化などで骨が弱くなると椎間板が変形し脊髄を圧迫して神経に異常をきたし椎間板ヘルニアになります。犬種ではダックスフンド、ビーグル、コーギーなど胴長短足に多発し、2~7歳頃から発症しやすいです。また、室内犬などでは生活習慣病などともいわれています。
重度の場合は骨が変形し、脊髄を圧迫している椎間板物質を除去して圧迫を解除してやります。また、手術が成功しても回復まで時間がかかります。圧迫が軽いものなどや発症してから数時間以内のものは内科的治療によく反応場合もあり、ステロイドや消炎剤を使用します。また、ビタミンB複合体の投与や温熱療法、マッサージも効果があります。突出した椎間板の局所に酸素剤を注入して溶解させるという特殊療法も行われています。発症してから数日から数週間という長い期間があった場合は内科治療と外科治療に対する反応も悪く、麻痺が元に戻らないこともあります。対症療法としては抗炎剤やビタミンB複合体を投与します。温熱療法やマッサージも効果があります。
※()回復率
グレード1:疼痛のみ(内科90%外科90%)
グレード2:不全麻痺、運動失調、歩行可能(内科85%外科95%)
グレード3:麻痺、自力歩行不可(内科85%外科90%)
グレード4:麻痺、自力排尿不可(内科40%外科90%)
グレード5:深部痛覚消失(内科5%外科60%)
過激な運動はなるべく控え、室内のフローリングの床で滑ったりするのであれば滑らないようにし、ソファーや階段、高い所などの昇り降りなどは止めさせましょう。また、食事管理を工夫し、肥満に気をつけましょう。