ポイント
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この病気の多くは片足だけに起こり、両足に発症することはそれほど多くありません。2〜3ヶ月の間の成長期に体重が増えることにしたがって足を持ち上げて歩くなど後足の跛行が見られ、徐々に悪化もあれば、急性的に現れる場合もあります。食欲の低下や腰の部分を触られるのを嫌がり、そのまま放っておくと、痛い方の足の筋肉萎縮や大腿骨の変形が現れます。主に生後1年以内の小型犬(特にトイ種)に発生し、進行するとかなり痛みを伴います。
血管障害によって骨盤のくぼみにはまっている大腿骨頭が変形したり、壊死したりすることによって股関節の虚脱と関節炎を起こします。血管障害の原因については、大量の性ホルモンの投与、栄養障害、遺伝などの影響と言われていますが、まだはっきりとは分かっていません。
壊死した大腿骨頭を切除し、新たに関節を形成する手術を行えば概ね元気になり、痛みも解消されます。ただし、術後衰えた筋肉の回復をさせるリハビリが必要で筋肉によって失われた股関節部分を支えることが出来るようにするのが大切です。鎮痛剤や消炎剤などを投与する場合がありますが、効果的ではないことが多い。また、完治するまでには1年ぐらいかかることもあります。