ポイント
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腸炎といえば急激に症状が現れる急性腸炎があります。しかし、慢性腸炎はゆっくりと進む特徴があり、お腹が鳴る、元気がない、水をよく飲む、尿の量が多い、口臭が強いなどの症状があり、下痢は急性腸炎より激しくなく、間欠的に起こることもあります。急性症にくらべて比較的症状が軽い場合が多いですが、便には粘膜や血液が時々見られ、下痢とや嘔吐を慢性的に繰り返すうちに食欲があるにもかかわらず栄養状態が悪く痩せてきます。
慢性腸炎は持続性の腸の炎症です。原因にはアレルギー、寄生虫、腸内細菌の増殖、リンパ肉種などがあります。アレルギーの場合、アレルギー食品を口にすることによって過剰な免疫反応が起こり炎症が起きます。寄生虫や腸内細菌の場合、それが過剰に増殖して炎症が起きます。消化器内などに悪性腫瘍が出来ていて炎症を起こす場合があります。また急性腸炎で、適当な治療をしなかったことで再発を繰り返し慢性化する誘因となることもあり、不安やストレスから慢性疾患を起こす事もあります。
診断方法は、内視鏡検査で胃や腸の細胞を採取して検査します。また、胃や腸を一部切開して検査する場合もあります。基本的な治療は、腸の粘膜の炎症を抑える副腎皮質ステロイドを投与と食事のコントロールをし、不安やストレスを取り除くのも大事です。また、寄生虫に感染している場合には、抗原虫剤を投与します。ステロイド中止するとすぐ再発する場合は長期間継続治療の必要がありますので2〜3ヶ月の間は投薬を継続します。3ヶ月〜6ヶ月程度で治療が完了することもありますが、完治する事は多くなく、一時的には症状を抑えることができるだけの犬もいますので、生涯を治療を継続していかなければならない事もあります。