糖尿病性白内障
ポイント

  • 糖尿病は、インスリンの不足、細胞側がインスリンをうまく受け取れない事によって起こる
  • グルコース(ブドウ糖)が血液中に残留状態、血液中の糖濃度が高くなる
  • 症状は尿量と飲水量の増加が特徴で、初期では食欲が非常に亢進
  • いくら食べても次第に痩せる
  • 悪化すると糖尿病性ケトアシドーシスになり、嘔吐・食欲廃絶・元気消沈・アセトン臭(口臭)などの症状
  • 更に悪化すると昏睡状態に陥り、症状が一気に悪化、こうなると緊急の治療が必要
  • 合併症では、白内障が急激に進行、慢性的皮膚炎・膀胱炎・メスでは、子宮蓄膿症を併発
  • 原因は大きく2つに分けられる
  • ①インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)
  • 脾臓のランゲルハンス島という細胞からインスリンが分泌されないこと
  • 原因は遺伝的体質、脾臓の炎症、ホルモン、ストレス、ステロイド、肥満、老化、妊娠
  • 犬の場合は、インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)のケースの方が多い
  • ②インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)
  • インスリンは分泌されているのですが、インスリンに対する反応が鈍くなったりする
  • 原因は副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、発情関連のホルモン分泌、感染症、ストレス、肥満
  • この状態を長時間放置しておくと、インスリン依存性(I型糖尿病)の糖尿病に発展
  • 多くの犬種のメス犬にかかりやすく、7歳以上の犬が多い
  • メスの発情に関した原因でもあるため、避妊手術していないメスになりやすい
  • 治療はそれほど高血糖でない場合、炭水化物と脂肪を減らした食事療法、運動で肥満を解消
  • ①インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)では生涯にわたるインスリン注射が必要
  • 治療の目的は、血糖値を抑えて白内障などの合併症の発生を防ぐ
  • インスリンにより体に必要なエネルギーを利用させて体重を維持
  • 数日から数週間の入院で、インスリン投与量及び食事の量の決定
  • インスリン投与量は、決定するには時間がかかる
  • ②インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)は、通常、初期にはインスリンによる治療が必要
  • 原因となっている基礎疾患を適切に治療すると食事療法だけで可能
  • 避妊手術をするとインスリンの必要がなくなる、非常に少なく済むようになるケースもある

syouzyou糖尿病は、すい臓で生産されるホルモンのインスリンの不足、インスリンが生産されていても細胞側がインスリンをうまく受け取れない事によってグルコース(ブドウ糖)が血液中に残留状態になり、血液中の糖濃度が高くなる【高血糖】になります。。尿量と飲水量の増加が特徴で、初期では食欲が非常に亢進します。食事中の炭水化物(糖分)は、消化されるとグルコースとして血液中に運ばれます。血液中のグルコースはインスリンによって細胞内に取り込まれ、エネルギー源として利用されます。しかし、インスリンがなんらかの原因できちんと働かないと、グルコースを細胞内に取り込むことが出来ないので、体内はエネルギーが不足した状態になり、いくら食べても次第に痩せてきます。また取り込まれなかったグルコースはそのまま尿の中に排出されて糖が尿から検出されるため、糖尿病と言われています。糖は炭水化物をエネルギー源として利用できなくなると、体は次に体脂肪やタンパク質をエネルギー源として利用しようとします。結果ケトン体という有害物質が体内に増加・蓄積され、この状態が続くとケトアシドーシスという血液のPHが酸性に傾く【糖尿病性ケトアシドーシス】になり、嘔吐・食欲廃絶・元気消沈・アセトン臭(口臭)の症状が出てくるようになり、更に悪化すると昏睡状態に陥り、症状が一気に悪化します。こうなると緊急の治療が必要になります。また、合併症では、白内障が急激に進行し、慢性的皮膚炎・膀胱炎・メスでは、子宮蓄膿症を併発する事もあります。

ganin原因は大きく2つに分けられます。一つはインスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)で、何らかの原因により脾臓のランゲルハンス島という細胞からインスリンが分泌されないことにより起こります。この原因は遺伝的体質、脾臓の炎症、ホルモン、ストレス、ステロイドなどの薬物によって起こり、また、肥満や老化、妊娠が原因になることもあります。犬の場合は、インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)のケースの方が多いとされています。そしてもう一つのインスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)は、脾臓からインスリンは分泌されているのですが、脾臓以外の原因(副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症、発情に関連したホルモン分泌や感染症その他のストレス、及び肥満など)によってインスリンの動きが邪魔されたり、インスリンに対する反応が鈍くなったりすることで糖尿病の症状が出るものをいいます。メスの発情に関した原因でもあるため、避妊手術していないメスになりやすいともいわれています。この状態を長時間放置しておくと、インスリン依存性(I型糖尿病)の糖尿病に発展します。多くの犬種のメス犬にかかりやすく、7歳以上の犬が多いです。

治療それほど高血糖でない場合は、炭水化物と脂肪を減らした食事療法と定期的な運動で、肥満を解消させることが有効です。インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)では生涯にわたるインスリン注射が必要になります。治療の目的は、血糖値を抑えて白内障などの合併症の発生を防ぐことと、インスリンにより体に必要なエネルギーを利用させて体重を維持することです。治療前に血中・尿中の糖分を検査して決定しますが、食事のカロリーが多いと血中の糖分も増えるので、必要カロリーに基づいた食事の量(吸収速度が遅い大麦など避ける、食物繊維、タンパク質が豊富、低カロリーなど)とそれに見合ったインスリンの種類及び投与量を決定します。数日から数週間の入院により、コントロールに適切なインスリン投与量及び食事の量の決定が可能になります。しかし、インスリンは、多すぎると低血糖を誘発する恐れもありますし、少なすぎても効果が薄いので注射する意味もありません。運動量や食事のカロリーよってインスリンの摂取量も変わりますので、決定するには時間がかかります。インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)は、通常、初期にはインスリンによる治療が必要ですが、原因となっている基礎疾患を適切に治療することによって、食事療法だけで血糖値をコントロールすることが可能になる場合が少なくありません。特にメスの発情に関連したものでは、避妊手術をすることによってインスリン注射の必要がなくなる、あるいは投与するインスリンの量が非常に少なく済むようになるケースもあります。