ポイント
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糖尿病性ケトアシドーシスとは、感染や炎症、心疾患などの基礎疾患と糖尿病の合併症です。長期間、糖尿病をそのまま放置しておくとインスリンが不足して、血中のケトン体と呼ばれる有害物質が急激に増えることです。元気がない、食欲がない、水を飲まない、体重減少、嘔吐や下痢をするなどの症状があらわれ、昏睡状態になることもあります。通常は1日~2日、長くてもせいぜい1週間くらいの間に急に体の具合が悪くなったように見えますが、多くの場合は、それ以前に、糖尿病の症状があらわれます。さらに酷くなると、脱水などを起こし、重症の場合、約30%で死に至こともあります。
糖尿病を放置していたり、治療が不十分だった場合に、食事をしてもインスリンの分泌量が極端に足らなくなります。足りないと蓄えている体の脂肪が分解されやすくなり、栄養素を血液中に運びます。しかし、分解された脂肪から血液中に有害なケトン体が箸しく増えることによって起こる病気です。健全な状態でもケトン体は微量に発生しますが、糖尿病になるとケトン体が大量に増えて血液を酸性寄りにしてしまいます。その結果、アルカリ性の体が酸性に傾き、それが原因で様々な障害をもたらします。
血液検査、尿検査を実施します。治療を開始したら、併発症を引き起こしていないかなどの検査も行います。症状が軽度なら、即効性タイプのインスリンを注射してケトン体が少なくなるまで投与します。状態がいいのであれば、輸液療法は行いません。インスリンを大量に投与すると低血糖症を引き起こしやすいので、予防する為にはカロリー量を1/3程度食事制限をします。また、大量に食事をするのも、血糖値を上昇させるので一日の食事の回数も3~4回に分けて与えましょう。重症の場合は、インスリン投与、輸液を行って体内の電解質のバランスを調整を行います。過度の治療で、有害な事もありますので1~2日間かけてゆっくり治療回復していきます。ケトン体が少なくなれば、あとは普通の糖尿病の治療に移行します。また、他の疾患が併発してる場合には、それも併せて治療します。