ポイント
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一般的に気管支炎や咽喉頭炎と同じで咳が中心ですが、呼吸が早い状態から呼吸困難に至るものまであり、気管支炎や咽喉頭炎よりも症状は重く、咳で嘔吐するしぐさや吐き気を誘発します。それに加え呼吸困難、高熱、食欲不振、運動や散歩を拒む、楽な姿勢を作ろうと前足を伸ばしたり、突っ張った姿勢をします。肺炎が重くなりますと、体を横にして休憩できなくなり体力の消耗にも繋がってき、体力の消耗をきたして死亡してしまうケースもあります。
ジステンパーウイルス、パラインフルエンザウイルス(ケンネルコフの原因)、アデノウイルス、細菌、真菌、稀に寄生虫などの感染、アレルギーによるものがあります。また、冬の寒い時や雨の多い梅雨時などは、菌が繁殖しやすく、犬の免疫力低下によりウイルスや細菌による感染症にかかり肺炎を併発することがあります。肺の中に微生物が侵入して炎症を起こし、肺の一部が水浸しになると肺炎になります。空気中には様々な微生物が浮遊し、肺は呼吸のために常にそれを吸入しています。肺に入る前に口腔、咽頭で未然に防いでくれていますが気管支炎や咽喉頭炎を併発していることや加齢、病気、ストレスなどで免疫力が低下すると細菌やウイルスに対する防御反応が低下し、肺炎を患うことがあります。また、肺の細気管支や肺胞と呼ばれる役割はガス交換機能がありますが、ガス交換部位が炎症を起こす事で肺炎にもなります。
基本的には気管支炎と全く同じで感染菌に対する抗生物質の投与と咳に対する鎮咳剤、去痰剤などを用います。必要に応じてネブライザー(吸入器)による薬液の吸入も実施されます。散歩、運動を避け、安静にし、保温や換気に気をつけます。重症の場合は酸素吸入も必要となりますので、早めに病院に行きましょう。