動脈管開存症
ポイント

  • 動脈管開存症は、バイパス血管(動脈管)が閉じずに開いたままになっている状態
  • 症状は初期ではほとんど症状を示さない、成長と伴に症状を示す
  • 咳や運動を嫌がる、疲れやすいなど
  • 1歳を過ぎるとうっ血性心不全や肺水腫、腹水などが見られる
  • 多くの場合3歳までに亡くなる
  • 症状が軽い場合、そのまま成長して成犬になる事もある
  • その場合には主に5歳~6歳の間に症状が発症しやすい
  • 症状が重い場合、生後1~2ヶ月のうちに、食欲不振や重症の呼吸困難
  • これにより成長が阻害(発育障害)や咳が見られて、場合によっては死亡
  • 原因は先天的な異常
  • 生後3日後に閉じているはずのバイパス血管(動脈管)が閉じない
  • 治療は運動制限・興奮・ストレス・肥満・痩せすぎ・緊張・安静、塩分を控えた食事の対症療法
  • 血管拡張薬・強心薬・利尿剤などの内科療法を並行
  • その他の全身症状が現れている時は、同時に治療
  • 外科的処置が可能であれば場合によっては手術が必要

syouzyou動脈管開存症は、通常のバイパス血管(動脈管)は生後すぐに閉じる構造になっていますが、これが閉じずに開いたままになっている状態のことを言います。先天的な病気で、初期ではほとんど症状を示さない事があり、成長と伴に症状を表します。症状は咳や運動を嫌がる、疲れやすいなどの症状がみられるようになり、1歳を過ぎるとうっ血性心不全や肺水腫、腹水などが見られるようになります。動脈管の太さで異なりますが、多くの場合3歳までに亡くなってしまいます。症状が軽い場合は、そのまま成長して成犬になる事もありますが、その場合には主に5歳~6歳の間に症状が発症しやすいと言われています。症状が重い場合は、生後1~2ヶ月のうちに、食欲不振や重症の呼吸困難を起こします。これにより、成長が阻害(発育障害)や咳が見られて、場合によっては死亡することもあります。

ganin仔犬がまだお腹の中にいる時には呼吸をしないので、肺に血液を送る必要がありません。そのかわりとしてお腹の中にいる時は、大動脈(高圧系)と肺動脈(低圧系)をつなぐバイパス血管(動脈管)あります。このバイパス血管(動脈管)が心臓から肺動脈に送られた血液を通して全身に多くの血液を送ることができます。出生後には肺呼吸をするようになるため、必要無くなった動脈管は閉鎖します。しかし、先天的な異常(血中プロスタグランジンの量や酸素など)で、本来、生後3日後に閉じているはずの大動脈と肺動脈をつなぐバイパス血管(動脈管)が、 出生後も閉じません。それが原因で、余分な血液が大動脈から肺動脈を異常な短絡経由し、左心房まで血液が入るために、血液の量が増えすぎて左心房や左心室・肺に様々な負担がかかります。肺の高血圧を招き、血管は動脈硬化さらに、肺のうっ血、右心系のうっ血そのため左心不全を起こします。この病気は、純血種の雌犬に比較的多く、主な犬種は、マルチーズ、コーギー、ポメラニアン、、シェットランドシープドッグ、コリー、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、ヨークシャテリア、ジャーマンシェパード、ラブラドールレトリバーなどが挙げられます。

治療症状を軽くするため運動制限・興奮・ストレス・肥満・痩せすぎ・緊張・安静、塩分を控えた食事の対症療法と、心不全と同じように血管拡張薬の投薬により心臓に栄養を送る血管を膨張して心臓の負担を軽減、心臓の機能強化を図る強心薬や肺にうっ血やむくみがある時は、利尿剤などの内科療法を並行します。また、その他の全身症状が現れている時は、同時に治療します。外科的処置が可能であれば場合によっては手術が必要になることもあります。