脂漏性皮膚炎
ポイント

  • 体表の皮脂が過剰となるために発症する皮膚炎
  • 症状は激しい痒みや体臭が強くベタつくとフケが過剰になるなど
  • 二次的にマラセチア性皮膚炎や膿皮症を併発することも
  • 乾性脂漏症は、被毛と皮膚が乾燥
  • 油性脂漏症は皮膚、被毛が油っぽい
  • 脂漏性皮膚炎は油性脂漏症が重症化したもの
  • 原発性は基礎疾患などがなく発症すること
  • 続発性は慢性的な病気などに伴ってみられる症状
  • 原因は皮膚の角化と脂腺の代謝早く起こってしまうことが原因
  • 治療は続発性は原因となっている疾患を治療する
  • 原発性治療は生涯に継続する必要で抗脂漏シャンプー、低脂質食、リノール油を与えて緩和

syouzyou脂漏性皮膚炎とは、体表の皮脂が過剰となるために発症する皮膚炎です。皮脂による激しい痒みや体臭が強くベタつくとフケが過剰になるなどがあり、二次的にマラセチア性皮膚炎や膿皮症を起こすことがあります。

 

乾性脂漏症
被毛と皮膚が乾燥していて脱毛の程度は軽いですが、毛は薄いことが多いです。
油性脂漏症
皮膚、被毛はベタベタと油っぽく、黄色っぽい塊が皮膚が被毛と皮膚に付着していることがあります。脂っぽいべとべとした耳アカがついた外耳炎などを併発することがあります。
脂漏性皮膚炎
油性脂漏症が重症化したものが脂漏性皮膚炎です。痒み、紅斑があり、脱毛やかさぶたなどがみられます。痒がる場所は耳、唇、腹、胸、肘、会陰などがあり、アトピー性皮膚炎と類似します。

ganin正常な皮膚は3週間かけて皮膚の表皮表層の細胞にケラチンが生成し、沈着するのですが、脂漏症では皮膚の角化と脂腺の代謝が3~7日と非常に早く起こってしまうことが原因です。原発性と続発性があり、続発性は慢性的な病気などに伴ってみられる症状です。慢性的な病気は甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、ホルモン分泌の異常、栄養や消化などの障害、膵臓疾患など、内部や外部寄生虫症、アレルギー性疾患、皮膚糸状菌症、一部の自己免疫疾患などの原因があります。基礎疾患などがなく発症することが原発性です。油性脂漏症の重度のものを脂漏性皮膚炎と言う事もあり、原発性はフケの状態から乾性脂漏症と油性脂漏症とに分類されます。

治療続発性は原因となっている疾患を治療する。原発性治療は完治しにくいので、抗脂漏シャンプーで毎日洗い、低脂質食、リノール油を与えて緩和します。治療は生涯に継続する必要があります。

 

乾性脂漏症
症状が軽い場合には保湿性のシャンプー(セボダームなど)とリンス で週1~2回シャンプーします。フケが多かったりした場合にはこれらを洗い流すためシャンプー(サルファサリチル酸シャンプーなど)を使います。ただし、シャンプーのやりすぎには注意が必要です。
油性脂漏症
悪臭を抑制する為に脱脂シャンプーを用いて週1~3回洗浄します。いずれの脂漏症においてもサプリメントが皮膚状態の改善に効果があります。
脂漏性皮膚炎
激しい痒みや炎症がみられる場合は、一時的にステロイドを使用することもあります。膿皮症やマラセチア感染症の併発がみられる場合には、抗生物質の投与や外部寄生虫に対する治療も行います。