ポイント
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ノミの唾液に対する過敏反応であり、痒みは腰の背側、尾の付け根、後肢の内側、腹部が多く、少数寄生であっても体を掻きむしる、噛むなどして皮膚をさらに悪化したりします。3~6歳ぐらいで最も見られ、生後6ヶ月以内では少なく、アレルギー反応の程度は個体差によって様々で一箇所だけがやや痒くなる程度もあれば、全身の皮膚に炎症がおこり、掻きむしって痒がる犬もいます。特徴として湿疹やかさぶたができることが多いのですが、ノミアレルギー性皮膚炎ではそのような湿疹などがほとんど見られないのに激しい痒みが広範囲に見られます。ひどい時は一晩中、一日中痒みが強いこともり、性格によってはさらに神経質になったり、怒りやすくなったりと性格の変化も見られる事もある。慢性化すると皮膚が色素沈着で黒ずんだり、ボコボコとした分厚く手触りの皮膚感になることが多く見られます。ノミアレルギーに類似した皮膚炎として、ノミが歩き回る刺激によって起こるノミ皮膚炎があり、痒みの程度はノミの寄生数に比例します。アトピーや食事アレルギーの犬は、ノミアレルギー性皮膚炎を発症しやすい。また、一度でも発症した犬は、ノミに寄生されるたびにアレルギー性皮膚炎を起こすようになります。多数飼いの場合、1匹に寄生していると他の犬にも寄生してるので、注意が必要です。
アルゲンとなるノミの駆除が主ですが、症状によってはステロイド剤や抗生物質を使用する。また、ノミアレルギー性皮膚炎なのかどうかわからない場合は、血液検査、皮虜生検、あるいはノミ抗原による皮内テスト(ノミから採取した薄めた液)を行います。
ノミの繁殖は90%が室内なので、じゅうたんやソファー、犬の周辺の物などこまめに掃除や日光に干す、駆除剤を部屋にまくなどして極力ノミを駆除します。その場でなるべく犬についたノミを駆除したければ、ノミ取りシャンプーを行います。しかし、ノミ取りシャンプーは完全に駆除できないことや予防にはなりません。あくまでもその場での駆除が目的になります。そのあと犬にフロントライン投与などで予防できますので、定期的に薬の投与で予防・駆除できます。