ポイント
|
腸の粘膜に炎症が起こり発熱や腹痛はあまりないですが、よだれや吐き気、嘔吐、元気がなくなったりします。また、腹部が膨れたり、口臭がきつくなる場合もあります。下痢が伴う場合が多く、軟便、水様便に始まって激しい下痢を起こします。重症になると血便になり、しぶりを表します。脱水症状や食欲不振となり吐いたりもし、腸炎の原因が感染症(ジステンバー、伝染性肝炎、パルボ)の場合には症状が重くなりやすく、さらに症状が悪化する場合もあります。
原因は、腐った食べ物や雨上がりなどの湿った土が口に入る、不衛生な水を飲んだことによる細菌感染(ブドウ球菌、レンサ球菌など)や、ウイルス(ジステンバー、伝染性肝炎、パルボ)、寄生虫、異物(骨やおもちゃ)、植物、毒性がある化学物質(化粧水や虫の駆除剤)などがあります。子犬では食べ過ぎなどが原因になることもあります。また、食物アレルギーが原因で起こる事もあります。
原因によって治療方法は異なりますが、血液検査、X線検査、便検査、内視鏡検査などで原因を明らかにします。原因が異物なら外科手術をしなければなりません。細菌感染には抗生物質と下痢を止める薬を投与します。下痢が続けば脱水になりますので、水分補給として輸液も必要になります。またウィルス感染症(ジステンバー、伝染性肝炎、パルボ)は1年に1度の定期的なワクチン接種で予防しておきましょう。普段の生活で口にしてはいけないものを犬の周りに置かず、拾い食いをしないようにしておきましょう。特に子犬の場合は下痢や嘔吐だけでも様子を見ることなく、早めに受診することで重篤な状態になるのを避けることができます。家庭では1日~2日絶食させ、下痢や嘔吐が止まり次第、ぬるま湯から与え、固形物は避けて通常の3分の1ぐらいの消化のいい物を与え、徐々に普通食に戻して行きます。特に便の状態を良くする為には食物繊維(山芋やさつまいも)の入ったものが効果的です。そしてしばらくは牛乳や脂肪分(油)をしばらく控えましょう。