急性肝炎
ポイント

  • 犬の急性肝炎は、肝臓に急な炎症が起こった状態
  • 症状は腹部を押すと痛がる、黄疸、出血しやすくなる、筋肉の震え、筋力の低下、知覚麻痺、痙攣、昏睡など
  • 最も重い急性肝炎では死に至こともある
  • 食欲不振になることが多く、嘔吐や肝臓から出血することで臭い粘土色の便や下痢、吐血をすることもある
  • 口からアンモニア臭を感じることもある
  • 症状が進行すると肝性脳症、血液凝固障害、肝臓肥大、肝硬変、脾炎、血液性貧血、発作(痙攣)、腹部など
  • これらの症状があまり見られないような時は対処が遅れて慢性に移行していく例がある
  • 原因は肝臓の炎症の急性の発症は中毒性、薬物性、感染性、寄生虫性
  • 最も多く見られるのは中毒性と薬物性で中毒性
  • 銅、ヒ素、水銀、クロロホルムなどの化学物質が原因
  • 薬物性は鎮痛剤、麻酔剤、利尿剤、ホルモン剤、ある種の抗生物質などの薬剤によって起こる
  • 感染性は伝染性肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、結核菌、化膿菌、真菌、吸虫類、バベシア原虫など
  • 稀では腸のリンパ管拡張や腫瘍など
  • 事故や外的要因で肝臓にダメージを負ったことも原因となる
  • 肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、相当悪くても臨床症状が出ないことが多いので気がつかないこともある
  • 治療は臨床症状と血液検査で判断
  • 肝臓疾患の治療には適切な食事管理が必要
  • 肝臓に少しでも多くの血液を流してやるために安静が絶対に必要
  • 原因に対する治療が可能な時はそれを施す
  • 食欲が回復するまで点滴で水や電解質を補給、食欲が出始めたら症状に合わして食事を与える
  • 消化しやすい炭水化物を用いて、痙攣がみられるようならタンパク質を抑える
  • 肝臓で栄養素を利用するためにビタミンB群、C、K等を補給
  • 薬物療法としては抗生物質は必見
  • 肝細胞に栄養を供給するため糖質、タンパク質、ビタミンも肝庇護剤として使う
  • 対策は予防は感染性の要因を少なくするためにワクチンの接種を行う
  • 寄生虫性の要因を少なくする場合は定期的な便検を行う
  • 中毒性の要因をなくすため犬の近くに建材や塗料、自動車用品などを置いて置かないこと

syouzyou犬の急性肝炎は、肝臓に急な炎症が起こった状態。肝臓の機能は解毒、ビタミンやホルモンの生成、炭水化物、脂質、タンパク質などの合成、分解、そして消化酵素の生成などの役割があり重要な部分とされています。肝臓の炎症が起きると様々な症状が現れます。症状として腹部を押すと痛がる、歯茎や耳の中、白目が黄色くなる黄疸が出たり、出血しやすくなったり、筋肉の震え、筋力の低下、知覚麻痺、痙攣、昏睡などの神経症状が出ることもあります。最も重い急性肝炎では死に至こともあります。食欲不振になることが多く、嘔吐や肝臓から出血することで臭い粘土色の便や下痢、吐血をすることもあります。また、口からアンモニア臭を感じることもあり症状が進行すると肝性脳症(肝臓の機能低下による意識障害)、血液凝固障害(生体機能における血液凝固の異常)、肝臓肥大、肝硬変、脾炎、血液性貧血、発作(痙攣)、腹部に水が溜まる腹水などもみられ意識障害や昏睡状態に陥ることもあります。これらの症状があまり見られないような時は対処が遅れて慢性に移行していく例がよく見られます。

ganin肝臓の炎症の急性の発症は中毒性、薬物性、感染性、寄生虫性に起こります。最も多く見られるのは中毒性と薬物性で中毒性は銅、ヒ素、水銀、クロロホルムなどの化学物質が原因です。薬物性は鎮痛剤、麻酔剤、利尿剤、ホルモン剤、ある種の抗生物質などの薬剤によって起こります。感染性は伝染性肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、結核菌、化膿菌、真菌、吸虫類、バベシア原虫などが肝臓に侵入し、肝炎になります。稀では腸のリンパ管拡張や腫瘍などがあります。また事故や外的要因で肝臓にダメージを負ったことも原因となります。肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、相当悪くても臨床症状が出ないことが多いので気がつかないこともあります。

治療臨床症状と血液検査で判断します。治療は肝臓に少しでも多くの血液を流してやるために安静が絶対に必要です。原因に対する治療が可能な時はそれを施し、食欲が、回復するまでは点滴で水や電解質を補給して、食欲が出始めたら症状に合わして食事を与えます。消化しやすい炭水化物を用いて、痙攣がみられるようなら血中のアンモニアを抑えるためにタンパク質を抑えます。肝臓で栄養素を利用するためにビタミンB群、C、K等を補給します。薬物療法としては抗生物質は必見ですが、肝細胞に栄養を供給するために糖質、タンパク質、ビタミンも肝庇護剤(肝臓機能障害を改善するに薬)として使います。肝臓疾患の治療には適切な食事管理が必要です。

対処予防は感染性の要因を少なくするためにワクチンの接種を行う。寄生虫性の要因を少なくする場合は定期的な便検を行いましょう。中毒性の要因をなくすために、犬の近くに建材や塗料、自動車用品などを置かないことである程度の予防にはなるでしょう。