偽妊娠
ポイント

  • 妊娠していない場合も、発情休止期に妊娠期に類似したことを偽妊娠
  • 交配していなくても発情が終了した後(約2ヶ月後)に偽妊娠が起こる
  • 症状は嘔吐(つわり)、食欲不振、逆に食欲旺盛、乳腺が発達、乳汁分泌
  • 静かで狭く、落ち着く場所(押入れや部屋の隅)に巣作り(新聞紙やタオルなど)行動など
  • 落ち着きがない、不安、攻撃的、おもちゃやボールを抱きかかえ集める
  • 原因はホルモン・バランスの乱れ
  • 発情後の黄体からなるプロゲステロン(妊娠維持を保つ役割)の作用が活動的になる
  • 妊娠していなくてもこのプロゲステロンが活動的になる
  • プロゲステロンの量が多い場合は、想像妊娠も長く続く
  • 治療は無処置で改善
  • 乳腺や陰部が熱をもったり、異常行動を繰り返す時には獣医師の診察を受ける
  • 偽妊娠と妊娠の鑑別は、出産予定日の1週間ほど前にレントゲンもしくは超音波エコー
  • 母乳を舐めてが乳腺炎を起こしてしまう場合がある
  • 偽妊娠が長期化・再発になると子宮蓄膿症や乳腺腫瘍を併発する事もある
  • 出産経験がある犬は、偽妊娠を起こしやすい
  • 再発を繰り返す、又は予防の為に避妊手術を行う

syouzyou犬は妊娠していない場合にも、発情休止期に妊娠期に類似したことを偽妊娠と言います。交配していなくても発情が終了した後(約2ヶ月後)に偽妊娠が起こります。個体差がありますが、症状は嘔吐(つわり)、食欲不振、逆に食欲旺盛、乳腺が発達し、偽妊娠期末期には乳汁分泌が見られます。嘔吐(つわり)は、実際の妊娠でのつわりは交配後20日ごなので、発情から20日後ぐらいに嘔吐(つわり)があります。食欲不振は、嘔吐(つわり)の影響なので、同じ時期ぐらいになります。食欲旺盛は、実際の妊娠では40日~50日ぐらいで、旺盛になります。静かで狭く、落ち着く場所(押入れや部屋の隅)に巣作り(新聞紙やタオルなど)行動など、妊娠期と同じ行動を多くとります。落ち着きがなく、不安を抱くこともあれば、攻撃的になることもあります。また、ぬいぐるみやおもちゃ、ボールなど、抱きかかえたまま離さなくなることもあります。

ganin犬の場合、ホルモン・バランスの乱れにあります。発情(生理)して排卵(出血が始まって7日目~10日間)後の黄体からなるプロゲステロン(妊娠維持を保つ役割)の作用が妊娠黄体と同じぐらいホルモンを分泌してしまうためと考えられています。妊娠するとプロゲステロンという妊娠維持に必要な女性ホルモンが分泌されますが、妊娠していなくてもこのプロゲステロンが活動的になる事があります。これが出ている間は妊娠を維持しようと体が働いてしまいます。そして、プロゲステロンの分泌が低下すると、プロラクチンという乳腺を刺激するホルモンの分泌が活動的になり、その影響で体や行動に変化が起こります。プロゲステロンの量が多い場合は、想像妊娠も長く続いてしまいます。

治療無処置で改善しますが、乳腺や陰部が熱をもったり、異常行動を繰り返す時には獣医師の診察を受けましょう。偽妊娠と妊娠とを鑑別するには、出産予定日の1週間ほど前にレントゲンもしくは超音波エコーにより、妊娠鑑定検査をします。また、母乳を舐めてが乳腺炎を起こしてしまう場合があります。偽妊娠が長期化・再発になると、子宮内膜が充血している状態のままになってしまい、子宮蓄膿症(子宮の中に膿が溜まる)や乳腺腫瘍を併発する事もあります。出産経験がある犬は、偽妊娠を起こしやすいと言われています。再発を繰り返す、又は予防の為に避妊手術を行います。