前立腺膿腫
ポイント

  • 犬の前立腺膿瘍は、前立腺が化膿して膿(うみ)が溜まった状態
  • 前立腺炎などがさらに悪化して前立腺膿瘍になるケースも多く、大抵は膀胱炎を併発している
  • 症状は尿の回数が多い、濁った尿、血尿、腹部の痛みや発熱も伴う
  • おしっこをポタポタと漏らした状態になることもある
  • 前立腺破裂で敗血症や腹膜炎などの危険性が高い併発もある
  • 原因は前立腺に大腸菌やブドウ球菌などの細菌
  • 多くの場合前立腺炎の併発で前立腺膿瘍の場合には急性になる
  • 去勢していない6歳以降のオス犬が発症しやすい
  • 治療はまず超音波検査などで膀胱炎との違いを確認
  • 細菌に対する抗生物質を投与すると同時に去勢手術を行う
  • 重い場合は前立腺摘出手術や膿だけを吸い出すなどがあるが、再発、副作用もある

syouzyou犬の前立腺膿瘍は、前立腺が化膿して膿(うみ)が溜まった状態。前立腺は膀胱の真下に位置し、尿道の周りに存在しているオスにある生殖器で精液を作るための重要な機能が担っています。前立腺内で発生した炎症で化膿し、尿道を通じて適切に体外に排出されないと前立腺内が膿でいっぱいになって肥大し、前立腺膿瘍になります。犬の前立腺炎などがさらに悪化して前立腺膿瘍になるケースも多く、大抵は膀胱炎を併発しているため、尿の回数が多くなったり、排尿障害が起こります。濁った尿や血尿が見られる場合がある他、おしっこをポタポタと漏らした状態になることもあります。また、大きさに伴って腹部の痛みや発熱も伴います。さらに悪化すると前立腺破裂で全身の血液の中に病原体が流れる敗血症や腹膜炎などの併発もあり危険性が高いのです。

ganin前立腺に大腸菌やブドウ球菌などの細菌が前立腺に侵入して、化膿して膿が溜まることによって起こります。多くの場合前立腺炎の併発で急性の場合には前立腺膿瘍になります。

治療症状が膀胱炎に近いので発見の早い超音波検査などで膀胱炎との違いを確認します。前立腺破裂による敗血症や腹膜炎の併発を防ぐ為、細菌に対する抗生物質を投与すると同時に去勢手術を行います。去勢していない6歳以降のオス犬が発症しやすいで今後の予防のためにもなります。また、遅くても5歳前後までに去勢手術を受けていれば発症するケースも少なくなります。それは去勢により男性ホルモンの分泌が抑制されるので前立腺自体が縮小して炎症が起きにくいのです。病状が重い場合は前立腺摘出手術や前立腺に穴を開けて膿だけを吸い出すなどがありますが、再発もあり、副作用もあるので獣医師とよく相談することです。