卵巣腫瘍
ポイント

  • 卵巣に発生する腫瘍には大きく3種類に分けると、皮質性腫瘍、類組織性腫瘍、卵生腫瘍に分類される
  • 症状は無症状であることが一般的
  • 時間がたつにつれて脱毛や不規則な性周期、持続性の発情、無発情など
  • 皮質性腫瘍の一つ顆粒膜細胞腫では、嘔吐や腹水が溜まって腹部の膨張がみられるのが特徴
  • ルモン活性のみられない腫瘍では、無症状の事もある
  • 子宮内膜炎や子宮蓄膿症を併発するのも多い
  • 原因は不明ですが卵巣が腫瘍化するのは高齢犬で出産経験が少ないほど発生率が高い
  • 卵巣ホルモンが関係している可能性は高いとされている
  • 治療は腫瘍の大きさにもよりますが、レントゲン検査や超音波検査などで確認する
  • 卵巣・子宮摘出(避妊手術)を行うことにより、発情周期の異常や腹水もたまらなくなり、術後は良好
  • 顆粒膜細胞腫の場合、移転は極めて低いと考えても問題ない

syouzyou卵巣に発生する腫瘍には大きく3種類に分けると、皮質性腫瘍、類組織性腫瘍、卵生腫瘍に分類されます。その中でも皮質性腫瘍がもっとも多く、その内の一つが顆粒膜細胞腫が最も発生率が高いのです。卵巣腫瘍の初期症状は、無症状であることが一般的ですが、時間がたつにつれてホルモンに関係している可能性があるので、脱毛や不規則な性周期(生理が予定より極端に早いや遅い)、持続性の発情(生理が長い)、無発情など、定期的に見られた発情周期が異常にみられるようになります。顆粒膜細胞腫では、嘔吐や腹水が溜まって腹部の膨張がみられるのが特徴です。ホルモン活性のみられない腫瘍では、無症状の事もあります。子宮内膜炎や子宮蓄膿症を併発するのも多くみられます。

ganin原因は不明ですが卵巣が腫瘍化するのは高齢犬で出産経験が少ないほど発生率が高くなります。また、卵巣ホルモンが関係している可能性は高いとされています。

治療腹部の診察によって腫瘍の固まりがわかることもありますが、腫瘍が小さかったり、太りすぎや大型犬などでは確認できない場合があります。腫瘍の大きさにもよりますが、レントゲン検査や超音波検査などで確認する事ができる場合があります。発情周期の異常な状態と、年齢、出産経験などを参考した上で各種検査を実施して診察していきます。卵巣・子宮摘出(避妊手術)を行うことにより、発情周期の異常や腹水もたまらなくなり、術後は良好であり、顆粒膜細胞腫の場合、移転は極めて低いと考えても問題ありません。

対処発情は基本6ヶ月(犬によっては1ヶ月ほどの前後のズレがあります)に1回で期間は2週間(長くて3週間)なので、予防としては発情周期の年月日を記録しておく。大幅に早くなったり遅くなったりすれば、獣医師に相談する。また、避妊手術も予防の一つになります。