ポイント
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尿路結石の中で一番多く、膀胱炎と似た症状です。結石があっても元気や食欲はあまり変化がありませんが、尿の回数が増えたり、出血は膀胱炎より多く、血が混じったりします。小型犬のお腹を触っている時に固いしこりに触れる事があります。少しずつ頻繁に尿をしたり、石が尿道に詰まり尿が出なくなる事もあります。また、排尿時の痛みや尿路の炎症を引き起こします。結石が大きい場合は、尿道の閉塞を引き起こす可能性があり、排尿することができません。すると毒素や廃棄物を体内から尿中に排泄できない状態になり、腎臓にダメージを与え、尿毒症を併発したりします。どの犬種でも見られますが、ダックスフンド、ペキニーズ、ダルメシアン、シュナウザー、トイプードル、コーギーなどに多発します。
尿路結石が膀胱結石を形成しやすい体質や高齢犬など様々な原因で発症したりします。結石の成分としては、リン酸アンモニウムマグネシウム、シュウ酸カルシウムが多く、この結石の原料となるミネラルを過剰に摂取することも原因の一つ。他に尿のPH(水素イオン濃度)が高すぎたりするのもよくなく、細菌感染で起こることもあります。
細菌感染があれば抗生物質の投与。結石の種類によりますが、食事療法により、小さなものなら結石溶解療法食で溶解します。大きいものなら外科的に摘出するのが標準的治療法です。ただし、外科的に摘出しても原因を取り除いたわけではありませんので、手術後は膀胱炎の疑いがあれば膀胱炎の治療を行い、再発も多いので食事の内容も結石の出にくいものにして予防します。