わぁー何アレー!ここはこんな匂いがするんだ!うわっびっくりした―。 色んなものがいっぱいでわくわく♪ 立派な大人になる為には勉強も大事だけど社会に溶け込むことの方が大事なんだ! 若い日は数ヵ月で終わるので今しかできない社会性についてしっかり理解しよう。
犬の社会化期
目次
社会化期とは?
子犬を迎え入れたらまずは何を教えるか?
それは社会の耐性を身につけることが重要になります。
愛犬と楽しく暮らすためには、子犬が家に来たその日から「社会化」 に取り組みます。
社会化は、初めは自分が住む場所や人に慣れさせることから始めて人間社会で出会うであろうさまざまな人・動物・物(者)・音・においなどに子犬の頃から触れさせ「それが当たり前」と受け入れるように慣らすことです。
社会性が身についている成犬は、人間社会でストレスなく過ごすことができるようになります。
幸せに暮らすためには子犬の頃の社会化が何よりも大切です。
犬の成長スピードは人の1日は小型中型で4日分(4倍)。大型で5日分(5倍)と言われております。しかし、それは1歳超えてからとなりますので、1歳までの子犬の1日のスピードは人の18日~20日分の速さで成長しております。
社会性不足になるとどうなる?
犬の1歳は人の約20歳と言われております。
もし、1歳まで飼い主以外知らない、犬を知らない、電車、バス、自転車…自分が住んでいた場所から1歳まで出たことがない場合どうなるか?
おそらく恐がったり、吠えたり、逃げたり、最悪噛んだり飛びついたり…逆に興味があり、飛びついたりじゃれ噛みや突進などこの先思いやられるぐらい社会不適合犬になってしまいます。
では、人が20歳まで家から出なかったどうなるか?
おそらく上に書いたことに近いことが人にも起きるかと思います。
街中を歩いてすれ違う人がいます。
それが当たり前なので今は見向きもしませんが、自分以外の人を見たことがなかった場合、びっくりするのが当然かと思います。
20歳まで外に出なかった人をそこから社会(外の世界)を教えていくとなると大変時間がかかり、もしかしたら受け入れられないものも出てくるかと思います。
そして社会適合するように時間と労力を使う為に
”通常の勉強”
が後回しになり、さらに遅れてきてしまいます。
しかし、過去を取り戻すことはできませんので諦めずに成犬になっても社会勉強は必要です。
人が成人を迎えて海外に行くのと同じだと思えばいいのかもしれません。
また子犬と成犬で違う事は
”頭の理解力”が”ある”と”ない”
です。
子犬はまだ頭の中の成長は無邪気、本能で動いているといっても過言ではありません。
だから誰にでも寄って行ったり抱っこしてもらったりと警戒心がないために社会を受け入れる器が無限にあります。
そこにたくさんの経験を積めることにより社会性が身に付き社会化が終わるのですが、犬や性格により前後しますが生後8ヶ月ぐらいから理解力が備わってきて更に人の20倍のスピードで成長しております。
生後8ヶ月となると人では丁度中学生の
”思春期”
にあたります。
この辺りから無邪気な子から人や犬知らないものなどに壁が出来たり警戒したして吠えたり近づく前に立ち止まったりとします。
そうなると段々と社会勉強の器が無限ではなくなってきて頭で考えるようになります。
神経質や綺麗好き、恐がりは頭で考える子が多く、頭の成長スピードが早く頭の良い印象です。
人も小学生までは誰とでもしゃべったりはしゃいだりしていたのが、中学生に入るとしゃべらなくなったりとすることもあり、思春期とも呼べます。
人の場合はそこまで数年かかり分かりやすいですが、犬の場合は1,2ヶ月で変わります。
勿論、それが成長で当たり前の道をたどっており、個々により差が出ます。
しゃべらなかったのが急にしゃべるようになったりと逆もあります。
犬でいうと吠えなかったのに吠えだした…これはその犬の性質でもあり本能が出始めた証拠でもあります。
オスでよくあるのがマーキング。
マーキングし始めると
「あっ中学生ぐらいだな」
と思っていても良いです。
以上の事を踏まえて社会に取り残されないために
”社会勉強”
させてあげなければいけません。
子犬の1日は
”たかが1日されど1日”
なるべく1日手を抜かずに沢山社会勉強させてあげてそれが
”当たり前”
と思う愛犬にしましょう。
犬のしつけ訓練は早いに越したことはないですが、やろうと思えばいつでもできます。
しかし、若い日は数ヵ月でなくなります。
それならしつけ訓練は二の次にして社会性を身につける勉強を行い、並行してしつけ訓練もやっていきましょう。
社会性は”当たり前”と思わせる
人は老若男女が当たり前と思うことにより前から人が歩いてきても当たり前のようにすれ違います。
それが”当たり前”なのでいちいち覚えておりません。
しかし、警備員の服を着た人が前から歩いてきたら吠える、又は恐がります..となると
老若男女は知ってるけど見慣れない警備員の制服を着た老若男女は見たことはありません。
そうなるとその犬にとって”当たり前ではない”のです。
そうならない為には警備員の服を着た人を見せてあげたり、おやつをもらったり撫でる抱っこしてもらうなどの社会勉強が必要になります。
これが”社会勉強”です。
社会勉強開始
社会勉強始める時期
始める時期は子犬を迎え入れて慣れてきたらすぐにでも行います。
来た日の1週間は家や飼い主など住む周りから社会勉強させなければいけません。
また数日は環境変化のストレスで体調(下痢・嘔吐)も悪くなりやすいので免疫力も低下します。
1週間ほどは控えておきましょう。
そして獣医師から必ず言われるのは”ワクチン接種が終わるまで外は駄目”
今のワクチンは接種3回で生後2ヶ月、3か月、4ヶ月と終わりになり、その1週間後に自由となります。
しかし、生後4ヶ月まで家の中だと人で6~7歳まで家の中に閉じ込めてるのと同じになり、大事な時期の3分の1が家の中だけで過ごしてしまいます。
・ 犬ジステンパー
・ 犬アデノウイルス2型感染症
・ 犬伝染性肝炎
・ 犬パラインフルエンザウイルス感染症
・ 犬パルボウイルス感染症
外の出し方
現在(令和3年)では生後56日以降であれば譲渡可能で早くて生後2ヶ月です。
これからの話は自己責任ですが、体調が不安定だったりした場合は健康を優先して控えてください。
子犬を迎え入れて1週間後、ある程度落ち着いてくればまずは抱っこして街中を散歩しましょう。
↑初めの場合は家付近、もしくは外などを眺める庭などで行いましょう。
まず初めはとにかく見せて聞かせてあげることが大事です。
そしてその時の飼い主は子犬と目も合わせず知らんぷりで手をなるべく差し伸べない方が良いです。
理由
犬が助けを求めて手を差し伸べるとこちらに注目が集まります。信頼関係を築くことにはもってこいですが、今は社会性を身につけるのが優先です。こちらに注目することにより周りに目がいかなくなり、外に慣れるのが遅くなります。相手をしないことにより犬側は「相手をしてもらえないから地面の匂いを嗅ごう、歩いてる人を見よう」と外に目がいきやすくなるためです。また歩く練習と首輪紐の慣れる練習(これをしなくて数カ月たてば本当に外を歩かなくなります)も同時に行えます。
慣れてきたら少し歩こう
歩くといっても場所緒タイミングを選んでください。
- なるべくアスファルト(風などで菌が滞在しにくいため)
- 犬や猫があまり歩かない場所
- 天気がいい日、雨上がりなどは控える
- 初めは特定の場所、初めからいろんな場所へは行かない(気疲れ防止)
- 定期的に手足や体を消毒、帰宅後消毒
- 体調が悪い時はやめておく
基本免疫が大事なので全てのワクチンを打っても感染することがあります。
人で例えると今ではコロナ、インフルエンザのワクチンと同じです。
老若男女にお手伝いしてもらおう
抱っこしてもらったり、おやつをもらったりして色んな人と接する機会を与えましょう。
一番いいのは駅など人や音が沢山ある場所が良いです。
知らない人に声をかけてもらったりするとおやつを渡して与えてもらったり、撫でてもらったりすると大変良い効果です。
ただしやり過ぎたり、極端にやりすぎると気疲れしたり、急な事で人混みや音、その子犬の苦手な物事にもなりトラウマになりかねません。
気が小さくいかにも箱入り娘…ってな子は少しずつトライしましょう。
例えば順番として玄関→家周辺→公園→車で遠出→人込み→駅前などランクアップしていきましょう。
社会勉強ルーテーン
管理人がいつも行う方法
☝大型の場合は玄関や敷地内にサークルを置いて数分~数時間置いておく。
車や人、犬などが通った場合にいい社会勉強になります。(盗難注意)
☝小型の場合はカバンに入れて30分ほど街中を歩いて公園などでしばらくじっとします。
そしてまたカバンに入れて帰ります。
☝次はカバンに入れて歩くのは同じですが、衛生が良さそうな場所を見つけて首輪紐で少し歩く練習をします。
ワクチン2回(昔は2回で終わりでした)打てばある程度免疫が備わるので犬猫が少なそうな土の上やアスファルトで走ったりもします。
性格は決まってる
とにかく社会性を身につけるためには色んなことに触れさせて色んなものを聞いて見てを繰り返します。
そして子犬が自分で選別して好き嫌い得意苦手を見つけていきます。
社会化期は社会性を身につけるだけではなく自分の性格を見つけるのも社会勉強1つだと思います。
色んな子犬から成犬になる過程を見てきましたが、どんなに慣れさそうとしても苦手なものは苦手です。
その子犬の性格は生まれた時からもうある程度遺伝や育ちで決まっていると思います。
例えば未熟児で生まれた子はお乳の取り合いで兄妹に負けます。
そうなると争いごとに負け続けて控えめな子になってしまう事もあります。
ある程度性格は決まっているものだと推測されますが、社会性を身につける努力をすることによって改善されたり、いい方向へ行ったりするので時間がある限り飼い主は1歳まで頑張りましょう。
また協力も必要ですが、家族が多い家に1日預かってもらうのも効果的。
相手に迷惑が掛からなければ定期的に預かって触ってもらったり、近所へ散歩に行ったりと協力してもらうのもいいですね。
兄妹との遊びの重要性
他の犬と遊んだりするのはとても大事です。
子犬同士の遊びは加減を覚えて”組手”を学びます。
犬同士の遊びやじゃれ合いは甘噛みはメインで
”口周り”・”首回り”・”後頭部”・”前足”・”後ろ足”
などお互い甘噛みしあって組手をします。
しかし、加減は分かりません。
そこで徐々にヒートアップして強く噛んでしまった場合は相手は「ギャン(痛い)」と叫びます。
そして鳴いた方は組手を中断します。
すると相手は鳴き声にビックリしてさらに組手を中断されたことにより
「強く噛んだら鳴かれてビックリした。そして楽しい遊びも終わる」
と学習します。
そうなるとこれぐらいの強さで噛んでは
”イケナイ”
と学び
”叱られる”
も同時に学びます。
それを繰り返して”強弱”や”場の空気”も知るようになるわけです。
初めは兄弟で”組手”を覚えて社会に出ると他の犬と”組手”をします。
他の犬との交流
初めは見せてあげることが大事です。
見せて自分以外の犬もいることを認識させてあげましょう。
いきなり合わせてしまうとびっくりしてトラウマになるかもしれません。
また相手の犬がちょっかいを出してしまう事もあります。
とにかく初めはクレートやサークルで安全を確保してから色んな犬を見せてあげましょう。
慣れてきたらサークル越しにお互い匂いを嗅ぐなどもいいかもしれません。
☝抱っこしてみんなから挨拶される子犬。
そして犬の存在を理解したら抱っこして写真のように少し会わせてあげるのもよいです。
勿論、子犬の感染もあり得ますので適度に挨拶をしてしっかり体を消毒してあげましょう。
相手も子犬を見るのは初めてに近い子が殆どなので無茶な挨拶をしかねません。
子犬を地面に降ろしたりするのはまだ先の方がよいと思います。
☝相手が激しくてそれに応える子犬。
なるべく年齢は同じ方が良く控えめな子には控えめな子。
激しい子には激しい子…と相性があります。
☝初めは何されても穏やかな子を会わせる。
控え目な子には誰にでもクールな成犬などで少しずつ相手の性格を引き出してやり慣れてきたら中ぐらいに元気な子、さらに慣れてきたら激しい子とアップしていくのが良い方法です。
☝離れすぎずくっつき過ぎずな中ぐらいの子。
☝それらを繰り返してみんなの輪に入れる。
そして飼い主がやってはいけない事は
”子犬同士、犬同士の間に入らない”
です。
犬同士にしか学べないことがあり、まさに交流がそれです。
多少ヒートアップしたり、マウントを取り過ぎたりとしますが、それは学びの時間だと思って暖かく見守りましょう。
本気の喧嘩をするようなら仲裁は必要ですが、子犬同士なら本気の喧嘩をする知恵もありません。
じゃれてるぐらいなら放っておいても良いです。
負けるのも経験だと思いましょう。
ここで人が変に介入したり仲裁に入ったりするとそれは
”子犬の経験値を奪うこと”
に繋がり将来それが不利になって返ってくる場合があります。
しかし、ドッグランやすれ違う犬に対しては相手の都合や理解も必要なので、いきなり社会勉強と言って激しい交流はトラブルを招く場合もあります。
知り合いや犬好き、理解力のある人、教室などで納めておきましょう。
【社会勉強パート1】
【社会勉強パート2】